Farmers:千葉県印旛郡「旬農場」| LIM-CLASSO | 東京・築地を拠点に個人宅向けのお野菜の宅配BOXと飲食店さまなど向けのお野菜の業務卸やってます♪ 無農薬・無化学肥料で栽培された農家さんの気持ちのこもったお野菜をたくさん扱っております。

Tweet about this on TwitterShare on Facebook
千葉県印旛郡「旬農場」

「概要」
千葉県北部に位置する北総台地。
利根川下流域に沿って広がる低地にある印旛郡栄町で以前より有機栽培での米作りを営む祖父のもとで育った鈴木俊氏(若干21歳 2015年現在)が経営する農場「旬農場」。
循環農法で有名な大分の赤峰勝人氏が運営する「赤峰農場」に2年間弟子入りし、2014年より旬農場として農業を始めました。

現在は、祖父「新海秀次氏」とともに作る米をはじめ、各種野菜を一人で栽培しています。
畑地が少ないことから野菜の栽培スケジュールは安定していませんが、幼少期からの経験から成る栽培テクニックと、生まれ持った感性は非常に高いものを兼ね備えています。

本人の年齢や生い立ちからも、「有機農業界のサラブレッド」と表現したくなってしまうほどの生産者です。

「農場データ farm data」

農場名 旬農場
代表 鈴木 俊(スズキ シュン)
所在地 千葉県印旛郡栄町
設立 2014年
主な生産物 米、サツマイモ、サトイモ、落花生、その他野菜
土壌 火山灰土、堆積土(圃場により異なる)
気候 夏季、冬季ともに雨が少なく乾燥しやすい


「人 person」
20代前半とは思えない落ち着きぶりが印象的な鈴木俊氏。
幼少期から祖父である有機栽培米生産者「新海秀次氏」を
見て育ちました。

鈴木俊氏は機械が大好きで、興味のある機械が作業している
ところを見つけては作業現場に何時間でも居続けてそれを
見ている少年だったそうで、機械の知識や操作はプロ並みです。

ユンボやフォークリフトを乗りこなす姿はまるで、
「手慣れたドカタのおっちゃん」そのもの。
ちょっと失礼な表現ですが、それほどに思えてしまうほどの
腕前を持っています。

鈴木俊氏は高校卒業後に大分県の赤峰農場へ2年間の研修に行き、米、野菜生産の基礎を学びます。
大分県の「赤峰農場」といえば循環農法で有名な「赤峰勝人氏」が運営している有機栽培生産農場。
すべての生き物は循環の中で生きているという考え方を基に、堆肥と草を利用した栽培を行う赤峰農場では、赤峰勝人氏の“弟子”として研修生を受け入れています。
赤峰氏は米、麦、野菜などの生産、切干大根などの加工、販売を中心に行う傍ら、全国への講演活動や執筆活動を手掛けています。(代表的な著書は「ニンジンから宇宙へ」)

鈴木俊氏は、赤峰氏より弟子として学んだ後2013年に千葉県印旛郡栄町の地に戻り就農しました。
現在は、祖父である「新海秀次氏」の米生産を行いつつ自らの農地を広げていますが、
拠点のある印旛郡栄町は水田地帯であるため、成田市~香取市~茨城県へと畑地を探し生産規模を拡大している最中です。(2016年1月現在)

鈴木俊氏がイメージしている生産規模はとても大きく、「より多くの人々に元気な農産物を食べてもらいたい」との想いを抱いて日々生産しています。
イメージ通りの大規模な栽培ができれば、元気で美味しい野菜を安価で食べられるようになるでしょう。

「確信めいた判断」
鈴木俊氏の持つ感覚は、栽培技術の胆となる
“判断能力”を底上げしているように感じられます。
土の状態・田畑にいる生き物の種類・
毎年違う気候変化・作物の状態判断
どこか1点にフォーカスすれば全体が見えず、
全体ばかりを見れば見落とす箇所ができてしまう。
科学的な観点、感覚的な観点、それらを総合的に駆使して判断する技術。
未だ若い同氏が判断をするとき、確信めいた“自信”が随所に顔を覗かしているように感じられます。

それは経験からの現れか、それとも生き物の摂理の中から感じ生じてくる同氏の感性なのか。
何れにせよ、これからの食を担う頼もしい若手生産者に自ずと期待を感じてしまいます。

「農法」
無農薬、無化学肥料の有機栽培。使用する堆肥は主に「草堆肥」です。
畑の状況と栽培する作物によっては無堆肥での栽培も行っています。

草堆肥は自然に生えた草を1年以上も寝かせて作った自家生堆肥。
同氏の師匠赤峰氏が提唱する「循環」の原理「土から生まれたものは土に返す」に則り栽培された作物は、大きく淡い色をした作物になることが多いようです。
淡い色になるのは肥料分が多すぎない証拠。
極端に肥料分が少ないと作物は小さく硬く育つ。
反対に肥料分が多いと作物は大きく柔らかく育ちますが、
葉の色が濃くなり、虫に食べられてしまったり病気に
かかってしまい、無農薬での栽培が困難となります。

鈴木俊氏が使用する堆肥は主に「草堆肥」ですが、実は
この「草堆肥」に秘密があります。
一般的に堆肥というと「牛糞堆肥」「豚糞堆肥」
「鶏糞堆肥」「馬糞堆肥」などが挙げられます。
これらの一般的な堆肥の共通点は「肥育された動物由来」であること。
動物由来の堆肥はN(窒素)を多く含むものが多いのが現状です。
これは家畜として育てられた動物たちに与えられている餌と密接に関与しています。

現代の畜産業ではコストの面より、穀物など高カロリーな餌を与えて早く肥育をさせ早期出荷を
行うスタイルが主となっています。
自然界では草を食むことが多いこれらの動物たちに草を与えず穀物ばかりを与えて育てると、
食生活のバランスが乱れて不健康な肥満になっていきます。
そして、これら動物由来の堆肥はN(窒素)含有量が多くなり、ミネラルなどの成分が少なく
バランスが悪いものとなってしまいます。
イメージとしては「N=高カロリー」となります。この堆肥を田畑で作物に多用すると、家畜と同じように高カロリーでバランスの悪い餌(肥料)を与えられた作物が育ちます。
結果、前述した肥料分が多い作物となります。

そこで話は遡り、鈴木俊氏の草堆肥です。
この草堆肥は、原料がいわゆる雑草100%となっています。
この草を微生物の力を借りて土にした状態が草堆肥ですが、草堆肥の原料である草は
“自然のなかで健全に育ったもの”なので、植物が育つために必要な成分が”自然のバランス”で入っています。

バランス良く育った草 ⇒ バランスの良い堆肥(植物、土中微生物のエサ) ⇒ 良い作物

この自然のバランスというのが大切なようです。
土と微生物のメカニズムなど、まだまだ科学で解明されていないことが多い生き物の世界。
自然に作られたバランス。
即ち黄金比と言っても過言ではない肥料が草堆肥です。

旬農場では、草堆肥以外にも草を利用します。
それは田畑に生える草。一般的には雑草として
厄介者扱いされますが、この草たちが土を作り出す立役者となります。
1cmの土ができるのに掛かる年月はなんと100年と
言われています。
草は土の成分バランスを取るために必要な種類の草が
生えるそうです。そして、やがて枯れて土に還ることを繰り返しながら、土を最高のバランスへと換えていく役割を担っていきます。
旬農場の作物は、草をはじめとした生き物たちの循環の中に育っています。

「補足」
鈴木俊氏の祖父「新海秀次氏」は長年にわたり米作りを行ってきました。
高度経済成長期、進んだ開発により新海氏の田んぼ周辺の生き物もだんだんと姿を消していきます。
昔の田んぼでは、冬季には白鳥が飛来し、田んぼ脇の川には鮭が遡上していたそうです。
生き物がいない環境での作物栽培。
これは、現在も日本各地の田畑で見受けられます。
新海氏が冬季湛水有機栽培に切り替えたのが1980年代、
そして1992年に白鳥が戻ってくるようになりました。
2015年現在では地区全体で約1,000羽の白鳥が飛来してきます。
いつかは鮭も遡上してくるかもしれません。
「豊かな環境で育つからおいしいんだよ」と新海氏は自信たっぷりに仰います。